名前だけは知っているものの
昔の映画で観ただけで
その後、沈黙をされていて私の中では不思議な女優さんだった。
14歳で女優になり、戦前、戦後の激動の時代に112本の作品に出演。
42歳で銀幕を去り、その後は謎とされていた。
小津安二郎監督は原節子を自分の映画の主演女優に強く希望し
どちらも生涯独身を貫いたため、
いろいろと噂されたようだ。
本の中では,小津とは全く違う青年脚本家の名前が紹介されている。
原節子に言い寄ってくる男は
会社に無理やり別れさせられたようだ。
私が初めて原節子の映画を観たのは
「東京物語」
エキゾチックな顔立ちの女優さんだなぁ~と思った。
小津安二郎は欧州の映画好きが強く支持する監督のひとり。
著者の石井妙子氏は多くの参考文献と
丹念な取材により数々の神話に彩られた原節子の姿を鮮やかに描き出している。
本を読んで私が感じた原節子は聡明で地味で生真面目な女優さん。
95歳で生涯を終えられましたが、お元気な時にもっとお話しが聞きたかった。